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矩計日記 
kanabaka.exblog.jp
2022/05/11
連休が明けて少しは楽になるかと思ったけど、あまり変わらない。自力で座れるようになった娘は、ちょっと目をはなした隙にいろんな場所へ移動するようになった。座ったまま動くので手のひらと足の裏がクイックルワイパーみたいな汚れ方になる。あまり放っておくと危ないので、抱きかかえて元のところへ連れ戻す。すると娘はまたすぐにどこかへ行こうとする。娘はなぜかゴミ箱とか汚いものばかりさわりたがる。ほんとうは娘の好きなようにさせたいけど、わが家には危険なものと汚いものがやたらとある。
コロナが明けたら泊まりがけの旅行がしたいと妻が言う。徳島がいいと言う。娘を連れて電車を乗り継ぐのは無理だろうと言うと、近くでもいいと言う。観光はナシでとにかくゆっくりしたいのだそうだ。奈良はどうかと聞くと、奈良でもいいと言う。いっそのこと京都にしたらどうかと言うと京都も悪くないと言う。
妻も娘もとにかくどこかへ行きたがっているようだ。ぼくは、個人的には、一人旅がしたい。


# by kanabakari | 2022-05-12 00:29 | 雑記 | Comments(0)
2022/5/02
朝から訪問看護師さんが来るので北側にある和室に逃げ込む。本の整理をしようかと思ったけど、けっこう音が出るのでやめておく。することがないので、ダンボール箱にはさまれたわずかなスペースに細長くなって寝ころんでみた。畳が固くてつめたい。おまけに今日はやけに寒い。この部屋は一日中うすぐらい陰気な部屋だ。むかし、伊丹の美術館で見た昭和初期のモダン住宅の間取り図には、どの家にも必ず女中部屋があった。広い家の奥まったところにあるその部屋は、とても狭くてまるで物置みたいだった。いま自分は、あのときの女中部屋で寝ているのだ、と思った。看護師さんが帰ると妻が戸を叩く。戸を開けると「もしかして寝てた?」と妻。なんでわかったのだろう。

連休中は娘の児童発達支援も休みなのでなかなか大変だ。カレンダーを見るたびに忌々しい気分になる。朝起きて天気がよかったりすると、なんともやりきれない。一昨日の夕方、洗濯物を取り込むときにベランダに出るとあまりの気持ちよさにびっくりした。一年のうち、数日しかないんじゃないかというようなさわやかな空気。洗濯物をいったん部屋に入れると、今度は娘を抱っこしてもう一度ベランダに出てみた。娘に外の空気をたっぷり吸わせてから部屋にもどり、妻にも外に出るように勧めた。ベランダに一人で立っている妻の姿を部屋の中から娘といっしょに眺めながら、ぼくたちはいったいなにをしているのだろうと思った。

# by kanabakari | 2022-05-03 01:13 | 雑記 | Comments(0)
2022/04/02
アパートの向かい側にある大きなマンションのせいで日当たりが悪い。一階ということもあって冬の間はほとんど洗濯物が乾かないのだが、ようやく朝干せば夕方には乾くようになった。今日は昼前に干したのでダメだった。世間ではとっくに春が来ているらしい。家の中にいるとそのことが実感できない。昨日、近くのダイソーに行く途中に桜の木がある公園のそばを自転車で通りすぎたら満開になっていた。今年はじめて見る桜だった。この先見る機会はなさそうなので、今年はとりあえずその公園に生えている五本の桜で間に合わせておこうと思った。妻はまだゼロ本なのだが、あつ森ですでに見ているらしい。
三月の中頃だったか、娘は寝ている状態から自力で座れるようになった。全身の力を振り絞ってヨロヨロと体を起こしていく様子は、生まれたての動物が立ちあがろうとする姿にちょっと似ていた。娘の頭は今、風邪をひかないように伸ばし放題になっている髪のせいで、なまはげの頭みたいになっている。重い頭を細い腕で支えてなんとか体を起こすと、なまはげはこっちを見てニッコリ笑う。はじめは失敗(途中で力尽きて頭から床に落ちる)ばかりだったのが、今ではほんの数秒で座れるようになった。

# by kanabakari | 2022-04-03 01:10 | 雑記 | Comments(0)
2022/03/11
郵便受けに新築マンションのチラシが入っている。市営住宅の住人が5800万のマンションを買えるわけないだろうと思う。いや、なかには家賃が安いのをいいことに、こつこつ貯めこんでいる人もいるのだろうか、と思いなおす。でもやっぱり、金があってもなくても、こんな居心地のいいところを出ていく人はあまりいないような気もする。ここに越してきた頃は、妻も自分も何年か先はまたどこかへ移ることになると考えていたけど、最近妻は「わたしは一生ここに住むつもりやけど」などと厚かましいことを言うようになった。それを聞いて自分も(そのほうが気楽でいいかも、江戸の町人が一生長屋に住むみたいで)と思った。そうして向上心が消えていった。

娘は今週からまた児童発達支援に行くことになった。一ヶ月の間、娘はずっと家にいた(散歩に二回行っただけ)。施設のほうはとっくに再開していたのだが、やはり感染がこわいので休んでいた。ちょっと心配しすぎだとむこうには思われていそうだ。娘は友達と遊ぶのがよほど楽しかったのか、家に戻って来た瞬間、号泣した。ふだんの泣き方とちがって、ちょっと悲劇的な凄まじい泣き方だった。



# by kanabakari | 2022-03-12 01:07 | Comments(0)
2022/02/09
藤澤清造の文庫は出品してから数時間で売れてしまった。売っておいてなんだけど、なんとなく気味が悪い。ネット社会は過剰反応ばかりでいやだなと思う。その一方で西村賢太の本が手元に一冊もないことがくやしい。一冊売れたくらいでは全然得した気にならない。

リハビリと児童発達支援はしばらく休むことにした。その数日後に児童発達支援は休所になってしまった。娘は二月になってからずっと家にいる。そのことに娘は気づいているのだろうか。抱っこすると、妙に真面目な顔をして窓の外をじっと見ている。

# by kanabakari | 2022-02-10 00:52 | 雑記 | Comments(0)