滋賀の病院に行く。車の中でずっとキリンジを聴いていた。キリンジをかけると、キリンジが好きなのかといつも妻が聞いてくる。他のCDをかけたときは何も言ってこない。好きとこたえると罠にハマりそうな気がするので、毎回「べつに」とか「まあまあ」とこたえる。
空はずっと曇っていて、琵琶湖の水も暗い色だった。
外は風が強くていくぶん涼しいような気もするが、体を動かすと突然蒸し暑くなる。
レントゲン室で娘の股関節を撮る。ズボンをおろされオムツ姿の娘は、技師のおじさん達に体をおさえられて大声で泣いている。その姿を遮蔽の透明の板越しに妻と見守る。
先生と歩行器の相談。メーカーの担当の人、ときどき娘に愛想笑いをしてくれる。とても感じがいい。
いつもより病院を出るのが遅くなったので道が混んでいる。娘はいつも近江大橋を渡ったあたりで寝る。妻は琵琶湖から離れて国道一号線に入ると寝る。なぜか毎回決まってそうなる。
家にもどるとすっかり暗くなっていた。夜、娘を寝かせようとしてもなかなか寝ない。まだ遊び足りないのかふとんから出て行こうとする。こっちも追いかけようとしたけれど、体が重くて動けない。そのまま深い眠りに落ちてしまった。目を覚ますと、力尽きたのか娘が部屋の隅っこで行き倒れみたいに転がって寝ている。