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矩計日記 
kanabaka.exblog.jp
2024/01/27
久しぶりに京都市内へ。
河原町通を歩いているといつのまにか知らない店ばかりになっている。急にラーメン屋が増えたような気がするけど流行っているのだろうか。
本屋はBALの地下に潜り、レコード屋はオーパの最上階に追いやられ地上からは見えなくなってしまった。
この通りを歩くと、自分自身の老いや、どんどん変化していく世の中についていけない自分を意識してしまう。
鴨川を渡って、最後の砦である三条ブックオフへ逃げ込むように入る。
財布から昨晩つくった手書きのリストを取り出して司馬遼太郎コーナーへ行く。『竜馬がゆく』は1、3、5、6、7巻を持っているので、2、4、8巻を買う(これで全部揃った)。三冊だけレジに持っていくのもちょっと物足りないので、一冊も持っていない『翔ぶが如く』もこの際買っておくか、全十巻もあるけど読めるやろか、と自問自答しながら各巻の状態を調べる。十巻のうち七冊だけ抜き取ってレジへ向かう。いっぺんに全巻買おうとすれば買えるのだが、110円で状態のいいものを買おうとするとこんな面倒な買い方になるのだ。そしてこんなくだらないことをやっているうちに、こないだ49歳になってしまった。
買った本をリュックに入れて店を出る。重い。でもこれでまたしばらく楽しめると思うとひと安心である。再び河原町通を四条まで歩く。高島屋の地下で阿闍梨餅五個入を買う。「いっつも自分のもんしか買ってこーへんな」という妻をなだめる為である。

# by kanabakari | 2024-01-28 01:44 | 雑記 | Comments(0)
2024/01/02
外が暖かそうなので、午後から三人で散歩がてら初詣に行く。
競輪場の裏の道を抜けて神社の石段のところまで来ると、石段の途中から行列になっているのが見えた。
とりあえず列の最後尾に並んでみるがほとんど動かない。自分だけ列から離れて上の様子を見に行くと、予想していたより五倍ほど長い行列が本殿の方まで続いている。小銭を放り投げてガラガラ鳴らすだけなのによく耐えられるもんだ。石段のところは真ん中がスロープみたいに段差のない坂になっているので車椅子でも行けるが、本殿にたどり着くまでには何カ所か階段があるのでどちらにしても無理そうだ。
妻と娘がいるところまで戻って事情を説明する。今度は三人とも列から離れて再び上を目指す。なんとなく並んでいる人たちの視線を感じながら長い坂を登り切る。
おみくじだけ引いて帰ろうと妻に言うと、御守りもほしいとのこと。砂利道の上を車椅子を押していくのは大変なので妻と交代でおみくじを引きに行く。
四十五番の吉。どの項目も控えめにしろと書かれていてつまらない。訴訟は起こしてもいいらしい。
妻は千円もする御守りを買ってきた。病気平癒のその御守りを車椅子のフレームにさっそく取り付けている。
娘の顔をのぞくと、スピーカーから流れている音の悪い雅楽が怖いようで、ずっと手で顔を隠している。
帰り道、御守りってやっぱり効き目があるんかなと妻が聞いてくるので、あるわけないやろと返答する。
きのうの地震の後、もし何か災害があったら車椅子押してどうやって逃げたらいいのかと聞いてきたときは、「どうしようもない、真っ先に死んでいくんや」と返答した。

# by kanabakari | 2024-01-03 01:14 | 雑記 | Comments(0)
2023/11/24
月曜日に娘が風邪をひいた。赤ちゃんの頃からお世話になっているかかりつけ医はいろいろあって行きづらくなったので、新しい病院に行ってみた。待合室で三十分ほど待っていると診察室に呼ばれた。待合室を出て薄暗い廊下を歩いた。案内してくれる人がいないのでどこが診察室なのかわからずうろうろしていると、水色のカーテンの向こうから「あーい」というおっさんの低い声が聞こえた。なんだか怒られたような気になって、こんな病院はやめておけばよかったと一瞬おもった。カーテンを開けて中に入ると、広い診察室には先生が一人いるだけだった。日当たりのいいとても静かな部屋で、病院の慌ただしさがまるで感じられなかった。先生は背もたれの高い革張りの椅子に腰かけておられた。先生が小柄なせいか、小学生が社長の椅子に座っているみたいだった。妻が娘の基礎疾患のことを話し始めると、先生は「ほーう」と言って注意深い表情になった。はじめは偉そうな人かとおもったが、話は最後まで聞いてくれるタイプのようだった。
先月から今月にかけて、滋賀県の病院に三回つづけて行ったり、予防接種をうけに行ったりして忙しかったから娘は疲れていたのだろう。きょうになってようやく元気になってきたが、児童発達支援は今週はずっと休んでいた。

クモを見かけなくなったとおもったら、最近カメムシがよく部屋に入ってくる。今朝は妻のタイツの中に入っていた。何も知らずにタイツを穿いた妻は、文字に表すのも困難なほどの素っ頓狂な叫び声をあげていた。タイツの中から転がり落ちてきたカメムシを、ぼくは使い終わった牛乳パック(普段はクモ相手に使っている)の中に誘い込んで入れると、窓をあけ、晩秋のよく晴れた空にむかって思いっきり放り投げた。





# by kanabakari | 2023-11-25 01:05 | 雑記 | Comments(0)
2023/08/30
娘(6才)の髪がツヤツヤに。
最近、娘がやたらと頭を掻いているので虱でもわいたのか心配していたところ、妻がシャンプーを変えようと言い出して、ぼくも今回ばかりは折れるしかないとおもった。
これまでずっと赤ちゃん用のシャンプーを使っていた。赤ちゃん用は泡がすぐに消えてすすぐのが楽だったから、子供用のシャンプーに変えようという妻の意見に、ぼくはずっと反対してきた。娘は泡の付いた手で目をこすったり舐めたりするので、シャンプーはいつでもスピード勝負なのだった。
ところが、あまりにも娘が頭を掻きむしるのでさすがにこれ以上はムリだということになった。
きょう、メリットの子供用ではじめて洗ったら、すこし茶色っぽいはずの娘の髪の毛に、突然ツヤが出だして、黒々とした六歳の女の子の髪の毛に変わった。あまりの変わりように妻もぼくもびっくりした。アゲハチョウがサナギから羽化するときの、あの感じだった。

# by kanabakari | 2023-08-31 00:19 | 雑記 | Comments(0)
2023/08/12
駅の待合室でひとり電車を待っていると、三人家族が入ってきた。入ってくるなり小学生の男の子が何か叫び声をあげて、その場の空気がいっぺんににぎやかになった。それを注意するお母さんの声はもっと大きくて、室内の温度がすこし上がったような気がした。お父さんの声はそれをさらに上回る音量で、おまけに酒焼けしたような声だった。そのダミ声ですごく汚らしい話をした。三人は幸福そうに笑っていた。
となりでぼくは本を読むふりをして聞き耳を立てていた。
お父さんがお母さんに「こいつ、今日何時に起きたん?」と聞いた。
「十一時半」
「遅っそ!」
「何にもやることないもん」と男の子。
「おれが子供の頃なんか夏休みは朝の六時に起きとったけどなあ。ほら、あれがあったやん?」
「ああ、あれな…」
「ええと…ほら、何やったっけ…あ、そうそう組体操」
「ああ、あったあった」
早朝から組体操はハード過ぎるやろ、と思いながら黙って聞いていると、今度はお母さんが別の話をしはじめた。
「今日もみそきん買えなかったわ」とぼやくお母さん。午前中、コンビニを七軒まわったのにどこにも置いてなかったと悔しそう。みそきんとはHIKAKINが出したカップ麺のことらしい。
「メルカリでも探してみてん。ほんならな、びっくりするで?いくらやと思う?」
「なんぼ?」
「四つで五千三百円」
「買うやつアホやろ」
それはたしかにアホだ。
「うちのお姉ちゃんから朝の五時に買いに行ったら買えたってさっき連絡きた」とも言っていて、読んでいる本よりとなりの会話のほうがはるかに面白い。

# by kanabakari | 2023-08-13 01:08 | 雑記 | Comments(0)