芦屋市立美術博物館で開催中の「芦屋のちいさな古本市」へ行ってきた。
街の草さん、ロードス書房さん、トンカ書店さんの三店舗のほかに「ひとわく古本市」として二十店舗ほどのお店が参加されていて、二日目の午後にもかかわらず会場内は熱気にあふれていた。
会場をひとまわりして、もっと早い時間にくればよかったと後悔した。YouTubeを観ながら手の甲にニベアクリームを塗っているヒマがあったのなら、もうすこし早くに家をでるべきだったのだ。時刻はすでに三時をすぎていた。M堂さん、固有の鼻歌さん、古本オコリオヤジさんの「ひとわく」を、三角食べのようにぐるぐるまわる。
欲しい本をぜんぶ買ってしまうと簡単に予算オーバーしてしまうので、一度、心を落ち着かせて、読みたい本だけ買うことにした。
M堂さんで見つけた高見順『手袋』(版画荘文庫)は、戦前の高見順は面白いにちがいないという思い込みを頼りに買ったのだが、先日、善行堂さんに行ったときに、版画荘文庫のことが話題になっていたことをうっすらと思い出してもいたのだった。もしかしたら価値のある本かもしれないという考えがすこしあったのだ。
それで、帰りにご一緒させていただいた固有の鼻歌さんにお聞きすると、版画荘文庫というのはとても珍しいものだということが判った。よくわからないまま買ってしまったのだが、その話を聞いたら途端に気分がよくなった。