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矩計日記 
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第二回天神さんで一箱古本市に参加します
5月27日(日)に長岡天満宮で行われる「天神さんで一箱古本市」に参加します。

本はだいたい選びおわったけれど、段ボール箱からはあふれている。どうやって持っていこう。
店主コメントには、どうせ自分の本棚なんて日本文学しかないから、とおもって日本文学中心と書いた。ところが本を選んでいるうちに、どこが日本文学?というような本も混じってしまいました。自分の好きな本から、もののはずみで買ってしまった本まで、いろいろ持っていくつもりですのでよろしくお願いします。
# by kanabakari | 2012-05-25 00:00 | | Trackback | Comments(2)
さようなら御機嫌よう
5月5日。電車のなかで、夏目漱石『思い出すことなど』(岩波文庫)を読む。「ケーベル先生」と「ケーベル先生の告別」が好きで何度か読んでいるけれど、この日はケーベル先生の「さようなら御機嫌よう」という言葉がいいなと思った。

地下鉄堺筋線で天下茶屋まで。天牛堺はこの日は980円均一。藤田三男『榛地和装本』(河出書房新社)が見つかってうれしかった。この本は以前、善行堂で山本さんに見せてもらっていたので何となく覚えていた。梅田へ戻る地下鉄のなかで、さっそくこの本のきれいな写真に眺め入る。

ひさしぶりに末広書店の4階を覗く。この日は店の人がいて作業をされていたり、本を見ているとあとからもう一人お客さんが上がってきたりと、いつになくにぎやか。ここはたいてい誰もいなくて、他人の家に忍び込んで本を物色している気分になるぐらい静かなのに。
内田百閒と梅崎春生があったので、満足して二階に下りて会計を済ます。

5月6日は六甲の学生センターに行くがなにも買えず。
三宮に出る。ある店で『半どん』の創刊号復刻版を買う。
# by kanabakari | 2012-05-08 01:49 | | Trackback | Comments(0)
勧業館三日目
5月3日。京都市勧業館の古本まつりへ行く。
会場の中はやはりたくさんの人。初日のように目の色を変えてあちこち動きまわらなくていいのでラクだけど、人が多いと疲れてくる。一時間ほど見てまわり、買ったのは一冊のみ。でも、なかなかうれしい一冊だった。

阪田寛夫『燭台つきのピアノ』(人文書院)。
Mさんの影響で、最近、阪田寛夫の本を見つけると買うようにしているが、この本ははじめて見た。芥川賞作家の最初のエッセイ集、と帯には書かれている。芥川賞作品の『土の器』(文藝春秋)は、先日六甲の学生センターで手に入れたばかり。『土の器』はまだ読んでいないけれど、その前に買った『天山』(河出書房新社)はおもしろかった。『天山』は短篇小説集で、梶井基次郎の弟が営んでいたラジオ店がでてくる「吉野通」という一篇はとくに印象に残った。

阪田寛夫の本を買ったのはこれで五冊目。これからゆっくり読んでいこうと思う。

『燭台つきのピアノ』には短いエッセイがたくさんおさめられている。すこしだけ読んでみると最初にサローヤンの名前がでてきた。そういえば「吉野通」でも途中でサローヤンの話になる。庄野潤三もサローヤンについて何かのエッセイで書いていたなあと思いながらこの本の目次を見ると、「サローヤンと庄野さん」という一篇もあった。阪田寛夫には『庄野潤三ノート』という本もあってどういう内容なのか気になっているのだが、「サローヤンと庄野さん」の最後に、庄野潤三全集の巻末に連載していたものが元になってできたのが『庄野潤三ノート』とある。ますます読んでみたくなったが、この本はなかなか見つけられない。
# by kanabakari | 2012-05-04 12:20 | | Trackback | Comments(0)
倉敷~笠岡
1月3日早朝。金券ショップで買った18切符をリュックに入れる。あとは財布、パン、折りたたみ傘、メモ帳、電話、カメラ、本。日帰りなのに重たい。本はやめておこうかと一度外に出すが、考え直して入れてしまう。結局読まなかったりするのだが。
5時に家を出て駅まで歩く。外は真っ暗でこわいほどに静か。三が日ということもあってか車もぜんぜん走っていない。信号機だけがギラギラと光っている。交番の中が明るいがだれもいない。

始発の快速に乗って西へ。
10時前に倉敷到着。京都から在来線で4時間半ほどの距離。瀬戸内のポカポカしたお日さんを思い描いていたのだがめちゃくちゃ寒い。京都よりも寒く感じた。

駅から美観地区まで歩く。まだどの店も開いていないので神社に行ってみた。阿智神社というお宮さんで、急勾配の石段をのぼると本殿があり、初詣客でなかなか賑わっている。ちょうど餅つきがはじまったところだった。参拝客にふるまってくれるらしい。杵が餅めがけて振り下ろされるたびに、餅をつく音が空きっ腹に響いてくるようで待ち遠しい。つき終わった餅が別のところへ運ばれる。かなりの熱さらしく、餅の塊りを抱えて駆けだすおばさんを見て思わず笑ってしまう。列にならんでひとついただく。餅には黒豆が入っていた。あまりの旨さに感動してもうひとつ貰いに行った。

お昼ごはんを食べあと、前から行ってみたかった蟲文庫に行く。

店の中はちょうどいい広さと本の量で居心地がいい。いろいろなジャンルの本があって見ていてたのしい。奥の部屋には猫が2匹(3匹だったかもしれない)いる。
棚の上には揃いの全集本もならんでいた。見ているとなんとなくいい気分になった。最近はまったく全集を買わなくなってしまったし、古本屋で見てもそれほど欲しいとも思わないのだが、ここに並べられた全集を見ていると「やっぱり全集はいいなあ」と思えてきたのだった。

帰り際に店主の田中美穂さんとすこしお話をさせてもらう。笠岡で木山捷平にゆかりのある場所について尋ねると、とても親切に教えてくださった。笠岡市の図書館に木山捷平の著作などが展示されているが、今日は休館日であること。生家へは笠岡駅からは公共交通機関では行きにくいということ。その生家に以前レンタサイクルで一時間かけて行った方がいたこと。それは夏の盛りであったこと。今の時間からだと駅から近い古城山公園がおすすめであること。地元の人たちは”しろやま公園”と呼んでいるので登り口を尋ねるときにはそのように尋ねるとわかりやすいということ。その公園は小説「尋三の春」に登場する場所で小高い山の頂上にあり詩碑がたてられているということ。

「尋三の春」は大好きな作品だ。尋常小学校の新任の先生と子どもたちが遠足に行く話がでてくるのだが、その行き先が城山なのだ。
田中さんは、「わたしも聞いた名前をすぐに忘れるので」とおっしゃって、公園の名前を紙に書いて渡してくださった。お礼を言って店を出る。

ふたたび電車に乗って笠岡駅へ。ホームにカブトガニの剥製が展示されていて、あまりの大きさにおどろく。海に近いのだ。笠岡には以前にも一度来たことがあるけれど、5月の暖かい日のことだったので、そのときとくらべるとずいぶん印象がちがう。雨がふってきてさらに寒い。看板の地図を見ると古城山は駅からすぐ近くにあるショッピングモールのとなりにあった。すこし迷いながら登り口を見つけ、舗装された山道をぐねぐねと登って行くとほどなくして頂上に着いた。すごく見晴らしがいい。

《町を横切ると、私達の前に小高い岡が蹲っていた。それが城山であった。古い磯馴松の間をくぐりながら、うねうねと曲がった、赤土道を私達は登って行った。丁度坂の中ほどまでのぼった時、万歳!万歳!という歓呼の声が舞い上がった。松の木の間から、五月の空の下に遠くひろがった紺碧の海が見え出したのである。私はこの時、生まれてはじめて海を見た。大きいのにびっくりした。じっと見ていると、今にも跳び込んでしまいたいような衝動にかられた。振返って見ると、今通って来た町の、郡役所も裁判所も何処にあるのか見分けもつかず、町の黒い屋根がごたごた並んでいるのがむしろ可笑しかった。少し高い所へ上がって見ると、大きな建物だって小さく見えるのである。私達は声を張り上げて、万歳!万歳!と咽喉のつぶれてしまうまで絶叫した。》



木山捷平の詩碑。

うしろには略歴。

何の詩が刻まれていたか忘れてしまったので、いま詩集を繰ってみると「杉山の松」という一篇だった。

   杉山の松

杉山をとほりて
杉山の中に
一本松を見出でたり。
あたりの杉に交って
あたりの杉のやうに
まつすぐに立ってゐるその姿
その姿がどうもをかしかりけり。
# by kanabakari | 2012-01-05 01:14 | 旅行 | Trackback | Comments(0)
今年の十冊
2011年に読んでよかった10冊。

・大村彦次郎『ある文藝編集者の一生』(筑摩書房)
・河野仁昭『天野忠さんの歩み』(編集工房ノア)
・森銑三『古い雑誌から』(文藝春秋新社)
・衣更着信『『荒地』の周辺』(書肆季節社)
・築添正生『いまそかりし昔』(りいぶる・とふん)
・小沢信男・津野海太郎・黒川創『小沢信男さん、あなたはどうやって食ってきましたか』(編集グループSURE)
・洲之内徹『帰りたい風景』(新潮社)
・野坂昭如『一九四五・夏・神戸』(中央公論社)
・季村敏夫『山上の蜘蛛 神戸モダニズムと海港都市ノート』(みずのわ出版)
・寺島珠雄『断崖のある風景 小野十三郎ノート』(プレイガイドジャーナル社)

2012年はどんな本に出会えるのかとてもたのしみです。


# by kanabakari | 2011-12-31 23:59 | | Trackback | Comments(0)
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